関東甲信越・東京支部 第56回合同学術集会

会長挨拶

関東甲信越・東京支部第56回合同学術集会 会長挨拶

会長:順天堂大学医学部麻酔科学・ペインクリニック講座 稲田英一

関東甲信越・東京支部第56回合同学術集会を、2016年9月3日に虎ノ門ヒルズで開催させていただきます。本学会の学術集会としては、初めて使用する会場になります。

今回のテーマは「麻酔科医のプロフェッショナリズム」としました。医学部教育においては、プロフェッショナリズム教育が重要視されていますが、卒後教育においてはプロフェッショナリズム教育についての意識は希薄であるように感じます。麻酔科医にとって重要なことは、プロフェッショナルとして培われた文化を継承し、発展させることです。そのために、学部教育から、卒後教育や専攻医教育という流れについて考えていきたいと思います。今回の学術集会では、専門医機構の認定による専門医資格の取得に関する医療倫理、医療安全、感染対策の単位付与対象共通講習会も準備をしました。

2017年度からは、いよいよ19の基本領域全診療科で専門医研修プログラムがスタートします。麻酔科医とはプロフェッショナルとして、どのような存在であるのかのidentityを、見つめ直す必要があると考えています。私たちは周術期管理の専門家として、患者に安心して標準的な医療を受けられる環境を提供いたしますが、麻酔科医というプロフェッショナルとして誇りと自信をもって医療を行うにはどうすべきかを考えたいと思います。周術期管理チームのメンバーである看護師や薬剤師、臨床工学技士たちの考えも聞いてみたいと思います。

学術集会においては、一般演題も極めて大切です。たとえ小さな疑問であっても真剣に取り組んだ研究の発表を期待しています。また、支部学術集会は、若手医師のデビューの場となることもしばしばです。専門医の指導の下、多くの演題が出されることを期待しています。これは、日常診療において疑問をもち、それを解決するというプロセスとして極めて重要なことであり、生涯学習としても重要なことです。

多くの会員の皆様が、学会に参加されることを心から願っております。