事業内容

公益社団法人日本麻酔科学会は定款で定める目的を達成するために各種事業を行っています.


1.事業の一覧

1)公益目的事業

(1) 学術事業・交流事業

麻酔科学の新たな発展のために国内外の先端的研究を奨励・推進・支援し、あわせて国内外の関連学術団体をはじめ関係方面と研究・協力を行い、もって新しい技術と正しい知識の普及・啓発を図り、その成果を社会に還元する事業

(2)教育事業・安全事業

会員が専門的知識や技術を習得するために、研修及び麻酔科関連業務に関わる医師及び施設の審査・認定を実施し、あわせて麻酔科関連医療に関わる調査および研究の推進を図り、特に麻酔科関連の事故症例の検証により再発防止に努め、もって社会に安全で良質な医療を提供するための事業

(3)公益事業

一般市民が安全で安心できる医療を受けるために、医療に関する正しい知識や認識の向上を図り、さらに麻酔科医が担う医療の役割や重要性を啓発し、普及させる事業


2)収益事業

(1)医師賠償責任保険の加入仲介事業
(2)展示出展事業


2.事業内容

公益目的事業について

1)学術事業・交流事業
(1)学術集会、学術講演会等の開催(学術集会・講演会事業)

研究者の学術水準の向上を図り、質の高い研究成果を社会に還元するために、国内外で基礎的、臨床的研究ができる体制を整え、研究成果の発表の場を与え、客観的かつ正当な評価を可能とするシステムを構築している。得られた成果は海外の学術団体とも連携して、会員はもとより一般市民やマスメディアにも公開している。学術集会には、全国規模で開催するもの(毎年 年1回開催、参加者は会員、非会員合わせて約8000名)、支部で開催するもの(2009年度6回、参加者合計約1200名)などがある。実施財源は、会費とする。


(2)学術研究の奨励、支援(研究奨励・支援事業)

国内外における優秀な学術研究を奨励・支援し、市民生活の向上と学術研究の発展に寄与する。また世界麻酔科学連合、世界麻酔科学会連合アジア・オーストラレーシア支部に委員を派遣し、これらと連携して国際的な研究交流を行っている。実施財源は、会費とする。


(3)研究業績等の表彰(研究表彰事業)

有用な研究については表彰し、市民の健康と福祉の向上に貢献する研究を支援し、その実績を後押ししている。学会賞5賞(山村記念賞・青洲賞・若手奨励賞・松木賞・社会賞)の選考を行い、顕彰する。各賞の概要は以下の通りである。
・山村記念賞:国内・国際的に広く認められ、すでに評価の定まった業績として最も優秀な業績をあげた会員に授与する。
・青洲賞:主に国内で行なわれた臨床研究で、すでに評価の定まった業績として最も優秀な業績をあげた会員に授与する。
・若手奨励賞:国内で行なわれた研究で、最も優れた研究論文を発表した若手研究者の会員(毎年12月31日で満37歳以下)に授与する。
・松木賞:麻酔科学史及び関連した医学史に関して、優れた研究業績をあげた個人または団体に対する賞とする
・社会賞:麻酔科学のためのみならず、広く社会に貢献した個人あるいは団体に対する賞とする。

山村記念賞、青洲賞、若手奨励賞については、対象者を会員と限定しているが、専門化集団の中で切磋琢磨し、その中で選出されたという誇りを持たせ、インセンティブを高め、よりいっそう麻酔科学研究の発展に努めていけるように設置している。
実施財源は、会費とする。ただし松木賞については、学会賞寄付金(松木賞)から充てる。


(4)機関誌等の頒布・査読編集(学術出版物事業)

国内外の研究業績については、2ヶ月ごとに機関誌「Journal of Anesthesia」を約15000部発刊し、会員、官公庁、研究者、国内外の関連する学術団体等に頒布しており、またインターネットを媒体として情報を提供している。学術集会の抄録、プログラム等は客観的で公正な査読を行ったうえで、無料で会員に配布している。また、円滑な診療を目指すため、麻酔科関連の用語を統一し、周知のために「麻酔科学用語集」を発刊している。なお査読・編集に関しては、会員の中から関連分野に精通した臨床家や研究者を充てて行い、質の高い情報を提供している。実施財源は、会費とする。


(5)関連する学術団体との連絡および協力(関連領域共同事業)

国内外の医療関連団体や企業との交流を深め、社会に麻酔科関連分野の情報のみならず、他の領域と共同して学会横断的な医学・医療情報を発信している。例えば日本輸血・細胞治療学会と連携して、危機的出血への対応ガイドラインを策定するなどの共同作業を行っている。実施財源は、会費とする。


(6)学術論文雑誌、医療関連雑誌、映像等の収集・集約化(学術関連資料アーカイブ事業)

麻酔博物館(旧麻醉資料館)を設置して、国内外の麻酔科関連分野の学術論文、医療関連の雑誌・映像等をそこに収集・集約し、医学・医療について正しく理解できる場を、会員はもとより一般市民やマスメディアに提供している。実施財源は、会費とする。


2)教育事業・安全事業
(1)教育プログラム等の策定(教育プログラム策定事業)

麻酔科医の生涯教育としての段階的目標を掲げ、その達成のための再教育プログラムの提供を行い、それによって均質な医療水準の維持と普及をはかっている。診療の指針(ガイドライン)として、冊子(麻酔ガイドライン)の発刊、インターネットによる公表も行っている。実施財源は、会費とする。


(2)麻酔業務に関わる医師、施設の審査・認定(認定事業)

麻酔科医は、周術期管理、救急・集中医療、ペインクリニック、緩和医療、総合診療などを主たる活動領域とし、医学・医療全般に深く関わっている。これらの分野での経験年数、研究実績、医療従事者や一般市民への指導・教育実績等の段階的到達目標を設定し、到達度にあわせて、麻酔科認定医、麻酔科専門医、麻酔科指導医という資格を認定している。また、安全で質の高い麻酔科関連医療を格差なく社会に提供するため、施設の審査認定も行っている。実施財源は、認定事業の審査料、登録料および会費とする。


(3)生涯教育・研修(生涯教育・研修事業)

質の高い麻酔科医の育成のため、新しい知識の定着を目的とした教育講座を毎年2回程度(2009年度は2回)開催している。現在までに計9回の開催実績があり、受講者は1回につき1000名を超えている。内容は、中期・長期的な教育プランの中で、麻酔科の関連医療分野を反復して学習できるように設定している。また、倫理教育、医療安全の向上を考慮した内容も含まれている。当日参加できない医師や休業医師(女性の産前産後を含む)のためにはDVDに記録した資料の貸し出しをおこない、自己評価のための試験等も実施している。また、休業医師に関しては、医療現場復帰のための研修プログラムが行える施設の情報を提供している。専門医の認定試験では、実技試験の不合格者の所属施設に対して、教育プログラムの改善を指導している。更に医学生から研修医にいたるまで、到達水準と資格に応じた医療技術・学術研究能力の修得と向上を援助することにより、質の高い麻酔科医を多く育成し、さらに会員に対して生涯教育を推進する活動を行っている。また、麻酔博物館(現麻醉資料館)の展示内容の充実に努め、倫理教育に関する内容、再教育システムの構築を行う。実施財源は、会費とする。


(4)教育普及(教育普及事業)

麻酔科関連医療が十分普及していない諸外国において、教育講座等の開催、また周術期(手術前・中・後)の麻酔科業務について協働する医療従事者の教育を行い、その成果を当該国の社会に還元している。さらに蘇生教育として心肺蘇生法を個人・団体に提供できるよう医師、医療従事者の教育と指導者の養成を行っている。教育内容については、世界共通の心肺蘇生法ガイドラインを策定することを目的に設立された国際蘇生連絡協議会(ILCOR)と連携し、医学的根拠に基づいた教育内容を提供している。麻酔科専門医資格の認定には、ILCORのガイドラインに基づいた医療従事者向けの心肺蘇生法のコースプログラムの受講を必須化している。実施財源は、会費とする。


(5)安全な医療実現のための調査(安全調査事業)

麻酔科関連医療の安全性向上のため、事故調査、分析を行っている。偶発的に発生する事故を分析する偶発症例調査(1993年~現在まで年1回)、機器の故障調査、麻酔薬および関連薬品等の適正使用に関する調査、機器のJIS 規格に関する検討、団体契約を結んでいる保険会社から提供される個人情報を分析することによって事故再発予防策を立てるClosed Claims Project の推進と研究、周術期肺血栓塞栓症発症例調査等を行い、その成果を会員はもとより一般市民やマスメディアに公表している。科学研究費等の資金による調査も積極的に行っている。実施財源は、会費とする。


(6)安全な医療実現のための情報提供(医療関係者への情報提供)

本会が認定する専門医のいる医療施設の公開、安全な医療を実施するため医療施設、医師への教材、指針、ガイドラインをインターネット上で公開し、会員に対しては電子メール等により、適時に配信して周知している。実施財源は、会費とする。


(7)麻酔科関連医療の安全性の担保(医療事故再発防止事業)

医療事故再発防止のため、麻酔科関連分野に関わる事故の検証、再発防止指針(ガイドライン)、手順(マニュアル)等を作成している。実施財源は、会費とする。


3)公益事業について
(1)医療全般、医療事故等の相談窓口(医療に関する相談事業)

一般市民からの麻酔科関連医療に関する質問を電子メール、文書等で受け付け回答している。実施財源は、会費とする。


(2)メディア戦略の検討・実施(メディア戦略事業)

取材協力、ニュースリリースの配布などを積極的に実施し、マスメディアを通じて広く社会に麻酔科関連医療を正しく理解してもらうための活動を行っている。実施財源は、会費とする。


(3)市民への出版物発行(出版物発行事業)

一般市民向けにわかりやすく麻酔について解説した「麻酔のしおり」を作成し、実費程度の廉価で全国の医療施設に販売している。実施財源は、会費とする。


(4)麻酔博物館の設立、運営(麻酔博物館(旧麻醉資料館)事業)

麻酔科関連医療について今日の医療が確立されるまでの歴史的展示物を公開し、併せて最新機器をも展示・収蔵し、正しい医療知識の普及を図る。麻酔関連の医療に関して、実際どのようなことが行なわれているのか情報が少ないため、医療現場を再現し、目で見て体感してもらい、よりわかりやすい形で情報を得られる施設を目指す。また、本邦の麻酔科関連医療の情報に関しては、博物館に情報を集約し、シンクタンクとしての機能を果たし、様々な分野に情報提供を図る。実施財源は、博物館事業目的資産とする。


(5)市民へのセミナー、シンポジウム等の開催(啓発事業)

一般市民向けの教育講座を開催し、麻酔科関連医療について正しい知識と認識を普及させる。実施財源は、会費とする。


(6)麻酔科医の適正配置(マンパワー適正化事業)

一般市民が等しく質の高い医療をうけられるように麻酔科医の適正配置に努める。人口あたりの麻酔科医数が地域によって異なり、本来であれば、日本全国どこに居住していようとも同質の医療を受けられるべきであるが、享受できない地域もある。また、施設間での人数格差も顕著となっており、地元市民等から対応を迫られている。継続的な実態調査、国への働きかけ等を通じ、長期的な視野を持って麻酔科医の適正配置を目指す。実施財源は、会費とする。


収益事業について

1)医師賠償責任保険の加入仲介事業

医師賠償責任保険の団体加入契約を、株式会社損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険株式会社、東京海上日動火災保険株式会社と結び、その仲介事務手数料を得ている。


2)展示出展事業

学術集会開催時に附設展示会を実施している。出展は医療機器、医薬品、検査機器、医療情報示説、書籍等を対象とし、当学会は展示用小間を提供している。

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