麻酔科医の役割

認定制度・認定資格について

麻酔科医は命の番人として患者さんの生命や人権を守っています。例えば、患者さんが手術を受けられるときは、手術前に体の状態や問題点を把握して安全な手術が行える環境を提供し、手術中は絶えず患者さんを見守ります。また、手術後は患者さんの苦痛、とくに痛みを取ることで快適に回復する手助けをします。さらに、救急医療や集中医療における診療、疼痛・緩和医療なども麻酔科の知識と技術を生かした重要な分野であり、麻酔科医はその分野の専門家として責任を持って医療行為を行っています。 こうした重要な役割を果たすためには麻酔科医が十分に訓練を受け、様々な症例を経験する必要があります。そこで、日本麻酔科学会では、麻酔科医に関する資格を制定し、麻酔科認定医・麻酔科専門医・麻酔科指導医の3つの資格を認定しています。

麻酔科認定医


麻酔科認定医とは、学会が定める所定の審査に合格し、麻酔科臨床に関する相当の知識と経験を有することを認定した医師を指します。
学会正会員で、厚生労働省認定の麻酔科標榜医資格を持つ者が認定される資格です。

麻酔科専門医


麻酔科専門医とは、学会が行う筆記試験・口頭試験・実技試験に合格し、麻酔科関連の臨床、研究に関する十分な知識と技量を有することを認定された麻酔科関連業務に専従する医師を指します。
学会正会員で、麻酔科認定医資格取得後2年以上経過し、麻酔関連業務に専従していること、所定の臨床業績、研究業績があること、医療従事者向けの救命措置法の講習を受けていること等、これらすべての要件を満たす者が認定される資格です。

麻酔科指導医


麻酔科指導医とは、学会が定める所定の審査に合格し、認定医や専門医を育成、指導するために十分な能力があると認定された麻酔科関連業務に専従する医師を指します。
学会正会員で、麻酔科専門医資格取得後、麻酔関連業務に満4年以上継続して専従し、かつ今後も継続して麻酔科関連業務に専従することが明らかであること、所定の臨床業績、研究業績があることに加え、指導実績があること等、これらすべての要件を満たす者が認定される資格です。

尚、各資格を持つ麻酔科医が修得すべき知識や技術については、学会が「教育ガイドライン」を策定し、具体的な内容を示しています。また、これらの資格は、認定後5年ごとに資格を継続するにふさわしいか審査し、麻酔科医の知識と技術の質を保っています。
さらに学会では、安全・安心な麻酔を提供する条件を満たした医療施設を「麻酔科認定病院」として認定しています。認定されるためには、麻酔科の代表として麻酔科専門医が常勤で勤務し年間200以上の麻酔症例があること、施設・設備が整備されていること、そして麻酔科医が学会などで自己研鑽ができる環境を整える必要があります。
麻酔科認定病院についても、麻酔科医の資格と同様に、認定後5年ごとに認定を継続するにふさわしいか審査しています。

以上のように、日本麻酔科学会は、麻酔科医の知識と技術の向上のため、ひいては市民の皆さんがいつでも安心して麻酔受けられる環境を整えるため、各種制度を制定し認定業務を行っています。